メルヘン童話

まる。さんかく。しかく。

 ある[]のこと。
 まる[くん]と、さんかく[くん]と、しかく[くん]
 3[にん]で、じまんばなしをしていました。

まる[くん]「ぼくってすごいんだぞ~!
     はしるのは、とくいだからね。
     くるまをうごかしているのも、ぼくなんだぞ~!」

さんかく[くん]「ぼ、ぼくは…よく、のっぽだといわれるんだな。
       たか~い、やまだって、ぼくなんだなぁ」

しかく[くん]「おれはよぉ、あんていかんはバツグンだぜ!
      どっしりかまえている、ビルやたてものは
      おれのじまんなのさ」

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ふしぎなお店やさん。

※この物語は、ファンタジーです。

街角[まちかど]のはずれにある、ふしぎなふしぎなお店やさん。

そこには、ひとびとが忘れ去ってしまった
たいせつな思い出を、いつだって取り出せるように
たいせつにたいせつに保管[ほかん]されているんですって。

思い出と交換[こうかん]するのは、なんだと思いますか?

高価な宝石? ダイヤモンド?
月の髪飾[かみかざ]りに… 太陽の[こな]??
めったに 手に入らない
もしくは ぜったい 手に入らないもの?

店長さんは、いいました。

「いえいえ。
 それは、そんじょそこらにあるものでいいのですよ」

道端[みちばた]にある小石でも、なんでもいいのです。
 あなたが、それを見て、
 『ああ、なんて、すてきなんだろう!!』
 ……と、思ったものであれば、なんでもいいのです」

店長さんは、こうもいいました。

「どんな品物でも、こころが少しでも動かされれば
 役に立たないものであろうと、
 それは、たいへんな価値あるものに変わります。
 見えている価値だけではなく、
 当店では、見えない価値を代金のかわりにいただくのです」

「少しでも、こころが動かされた品物であれば
 どんなものでも、大切な思い出と交換いたします」

……つまり、このお店は
思い出と思い出の品を交換しているのです。

なくしてしまった、おさないころの思い出。
わすれてしまった、すばらしい日々。
だいすきだった、あのひととの、たいせつな記憶[きおく]

それらを、ちょっとした思い出の品と交換して
たいせつなこころを、取り戻してくれるんです。

でも…。残念なことに、このお店にはあまりお客さんがきません。
なぜならば…。
多くのひとたちは、そんな記憶や、思い出よりも、
目に見える品物が手元にあった方が、安心するからです。

ダイヤモンドしか、きれい。と思えなければ
そのダイヤを、たいせつな記憶を取り戻すために、売らなければなりません。

高価な品物しか、すてきだ。と思えなければ
その品物を、たいせつな記憶を取り戻すために、売らなければなりません。

だから、ひとびとは、そのお店の存在を知りません。
知っていても、足を運ぼうとはしません。

本当に、大切なものはなんですか?
あなたなら…このお店に足を運びますか?

「みなさまのご来店、お待ちしております」

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